七年越しの山形旅行_1日目2015年10月22日

山寺五大堂
7年前に酒田の土門拳記念館を主な目的地にして、途中、山寺に寄る旅を計画し、さて宿を予約しようかという矢先に妻がけがをして中止になっていた計画を、ようやく実行することができた.

予定通り山形まで新幹線で行き、そのまま山寺の奥の院まで上り、山形に戻り宿泊.二日目はレンタカーを借り、山形市内を観光し、山形自動車道で出羽三山を参拝し、酒田で宿泊.三日目の最終日はメインの土門拳記念館、初孫酒造、山居倉庫を見学し、日本海の夕日を見ながら快速「きらきらうえつ」に乗って新潟経由で帰ることにした.

東京駅に着き、駅弁を買って山形新幹線つばさに乗り込む.
山形駅到着前に早めの昼食をとり(もちろんビール付き!)、仙山線に乗り換え山寺に向かった.
山寺には12時過ぎに着き、根本中堂から山門を通り、さらに階段を上り始め、せみ塚、仁王門、五大堂、奥の院と歩いた.時間にして40分くらいか.好天に恵まれ、紅葉も始まっていてすばらしい景色を楽しめた.

山寺から山形行きの電車は一時間に一本くらいしかなく、一通り見たので予定より早いのに乗り山形市内観光に向かった.

駅のコインロッカーに荷物を預け、山形市霞城公園にある旧済生館本館の山形市郷土館を見学.
明治に建てられた病院で、14角形の回廊や中庭、玄関ロビーのステンドグラス、二階からの螺旋階段が美しいユニークな建物だった.
病院故、展示物は医学関係が多く、中でも産科関係が多かった.

山形市郷土館を後にして、東大手門を通り山形駅に向かった.
コインロッカーからバッグを出し、本日の宿の山形グランドホテルを目指す.

宿はネットで「訳あり格安」というので選んだ.訳ありとは、窓からの眺めやベッドが三つはいっているというものなので、そんなこと全く問題ないと思い決定.

予約をした後、妻が山形グランドホテルの口コミでぼろくそに言っているのがあると聞き、心配になったけど、行ってみると立派なホテルで対応も悪くなかった.訳ありの部屋も確かにベッドは三つあったけど、そんなに狭いわけでもなく、また窓からの眺めも目の前にビルがあるのではなく、下を見ると空調設備が見えてしまうことくらいで全く問題なかった.
強いて言えばバスルームが狭かったこと.それでもシャワートイレだったので合格.

さて、初めての土地では居酒屋巡りが楽しみでもある.事前にガイドブックやネットアプリで調べたけど、やはり実際に行ってみなければわからないのは当たり前.

結局ホテルの周りを散策しながら探すことにした.
程なく数件の居酒屋が集まっている「山形屋台村/ほっとなる横町」があり、一通り見て回り、呼びかけられた店に入ったけど、メニューを見ていまいちだったので生中とホタテ焼きで後にした.

山形と言えば山形牛に米沢牛!同じ横町の「小太郎」に入る.
このお店は牛肉メイン.店主は食肉関係の技師をされていた方で、牛肉を知り尽くしている感じで頼もしかった.

まずは山形牛煮込みをビールでいただく.そして山形牛串焼を山形の地酒で.そこに今が旬の食用菊のおひたしを出していただいた.鮮やかな黄色の花びらがシャキシャキしていてほんのり苦みがあってとてもおいしかった.
最後は米沢牛のミスジステーキを山形産の赤ワインでいただいた.旅先の居酒屋でワインを飲んだのは初めて.とってもおいしかった.

「小太郎」に十分満足してホテルに戻った.

七年越しの山形旅行_2日目2015年10月23日

蕎麦切り
朝起きるとドアの下に新聞が差し入れられていた.
今日はレンタカーを借りて羽黒三山神社経由で酒田入り.

朝食は苦手なブッフェスタイル.選ぶのが面倒だし、ついつい食べ過ぎちゃうし….でも、山形名物の芋煮はいただいた.

ホテルから駅レンタカーまで徒歩10分.
初めて乗るハイブリッドのアクア.
イグニッションボタンを押すとメーターパネルの照明がつくけどエンジン音は無し.シフトをドライブに入れてサイドブレーキを外せばスルスルと動き出した.

まずは市内にある旧県庁舎・県会議事堂の「文翔館」に向かった.
駐車場も無料.建物の見学も無料.昨日の旧済生館も無料だった.山形は太っ腹!

建物は大正時代に建て替えられたもので、外観、内部の保存がすばらしくゆっくり見たかったけど、酒田までの道すがら何があるかわからないのでざっと見て車に戻った.
(入るときに入り口で小学生の団体が説明を受けていて、帰るときにその団体が入ってきた.セーフ!)

市内を離れ、山形自動車道で羽黒山を目指す.
途中月山が現れたがすでに山頂付近は紅葉が終わり、落葉していた.

山形自動車道から庄内こばえちゃんラインを通って五重塔の近くのいでは文化記念館の駐車場に車を止めて、食堂で昼食をとった.
私は蕎麦切り、妻は蕎麦切りと麦切りのセット.名物の玉コンニャクもいただく.
久々のもりそばはおいしかった.残念なのは車なのでビールが飲めないこと.

参道に入り、爺杉、五重塔を見てその先の杉並木もちょっと歩いた.
そのまま歩けば山頂の出羽三山神社に着くけど時間的に無理なので車に戻り有料道路を通って山頂に向かった.

月山、羽黒山、湯殿山の三神を祀る三神合祭殿を参拝して一路酒田へ.

鳥海山を右手に見ながら本日の宿の「かんぽの宿 酒田」を目指すが、その先の最上川を渡り酒田市みなと市場に寄り、土産の一部を購入した.

かんぽの宿でチェックインを済ませ、荷物を下ろしてレンタカーを返しに酒田駅に向かう.

酒田駅から再びかんぽの宿へは100円で乗れる「るんるんバス」で行くけど、本数が少なく、時間つぶしに駅の近くを歩いたけど、閑散としていた.賑やかなのは駅からちょっと離れているようだ.

すでに日が落ち暗くなってバスからの景色はわからず、ほどなく終点のかんぽの宿に着いた.

予定していた夕食の時間が近づいていたので、温泉に入るのは後にして食堂に向かう.

夕食は「料理長おすすめコース」.
米沢牛のしゃぶしゃぶをメインに、刺身や寿司、煮物、蒸し物と食べ終わってみるともうお腹が一杯で苦しいくらいだった.それでもおいしい地酒と共においしくいただいた.

食後は温泉に入り、ドライブの疲れを癒やすことができた.

さて、明日は本命の土門拳記念館だ.

七年越しの山形旅行_最終日2015年10月24日

土門拳の豆本
目が覚めて、まずは朝食の前に温泉に入った.
露天風呂はとても気持ちよかった.

昨日と同じくブッフェスタイルの朝食を済ませ、チェックアウトして徒歩で「土門拳記念館」に向かった.

距離にして1キロくらいか.10分ほどで飯森山公園内にある「土門拳記念館」に着いた.

土門拳の全作品が収納されているようだが、当然すべて常設展示されているわけではない.

今は「土門拳没後25年ぼくの好きなもの」と「筑豊のこどもたち」が展示されていた.

「ぼくの好きなもの」は古寺と焼き物.コレクションの焼き物と共に展示されていた.
写真にまつわる土門自らの文章も興味深かった.

「筑豊のこどもたち」はかつてニッコールクラブの写真集「こどもたち」で「江東のこども」とともに見ていて、作中のるみえちゃん姉妹がとても気になっていたけど、その後姉妹とも名古屋で幸せに暮らしているという文を読みほっとした.

展示品には報道カメラマンに支給されたNikon SP ブラックや愛用の指輪などがあった.

記念に記念館発行の土門拳「ぼくと酒田」の豆本を買い求めた.

「土門拳記念館」から次の目的地の初孫酒造(現:東北銘醸株式会社)の酒造資料館「蔵探訪館」は歩いて行くにはちょっと距離があるので会館の方にタクシーを呼んでいただいた.

資料館では酒造りの工程の展示もあったけど、ざっと見てメインはきき酒!

純米酒から純米大吟醸まで数種の酒を試飲できた.
お猪口で少しずつだったけど、全体でコップ一杯くらいいただいたのかな?

土産に新酒の「秋あがり」四合ビンを買った.カップ純米酒もあって帰りの電車用にとも思ったけど、乗り過ごしてしまうといけないのでやめた.

このあと山居倉庫と本間家旧本邸を見る予定だけど、荷物を持ったまま行くのはつらいので、いったん駅のコインロッカーに預けてからにしようと再びタクシーを呼んでいただき酒田駅に向かった.

コインロッカーに荷物を預け、本間家旧本邸を目指して歩いた.お昼時だったので昼食に酒田ラーメンでも食べようと思ったけど、それらしい店がなく、本間家旧本邸に到着.
武家屋敷と商家造りが合体した立派な家だった.見学料は山形市の無料と違い700円.
平屋ながら建材や装飾が選び抜かれた内装はすばらしかった.
また、門の外の赤松や庭もとても良かった.

ラーメン屋を探しながらも山居倉庫に着いてしまった.

倉庫横のケヤキ並木の散りかけた紅葉が美しく、しばし周辺を散策をした.

そうこうしているうちに急に雨が降ってきて、結局酒田ラーメンは土産で買い求めることにして、倉庫横のお店でうどんを食べた.
これも酒田ラーメンと同じくあご出汁でとてもおいしかった.

この後端の倉庫の「庄内米歴史資料館」に入ったけど、こちらも無料ではなく、300円だった.これは内容からすると高いと感じた.

帰りの快速「きらきらうえつ」は16:11発.

雨が止んでいる間に駅まで足早に歩いた.

途中、「写真家 土門拳 ゆかりの地」の碑を見つけて寄り道しながらなんとか降られずに駅に着いた.

その後は本降りになってしまい、折角楽しみにしていた日本海に沈む夕日は望めなかった.

酒田駅から「きらきらうえつ」で新潟まで行き、新潟駅で駅弁を買う予定が肝心の駅弁がほとんどなく、仕方なしにキオスクのコンビニ弁当とご当地ビールを買って上越新幹線に乗り込んだ.

東京駅からは普段なら静岡駅まで行き、清水駅に折り返すけど、今回は新幹線を三島駅で降り、その後東海道線で沼津駅止まりに乗って再び乗り換え清水駅に着いた.
これによって1000円くらい安くなった.
しかし、三島駅の乗り換え時間の5分は厳しかった.
もう、こんなことはやりたくない….

最終日は最後に雨に降られたけど、二日目まで快晴ですてきな山形旅行だった.